「送ったはずのメールが届いていないらしい」
メールの不達は、メール配信用のツールの通知や、お客さまからの声で発覚します。メルマガ担当者なら特に、配信成功率100%を目指したいものです。
しかし、メールが届かない原因には、対策できるものとできないものがあります。この記事では、メールが届かない原因と対策をご紹介します。対策できる原因を排除し、配信成功率を100%に近づけましょう。
この記事のもくじ
「メールが届かない」と言われるシチュエーション7選
私たちはマーケティングオートメーション「Kairos3 Marketing」のベンダーです。マーケティングオートメーションには、メール配信機能が備わっています。仕事柄、私たちは、お客さまのメールマーケティングにまつわるお悩みを数多く聞いてきました。
中でも、「メールがうまく届かない」というご相談はよくいただきます。「メールがうまく届かない」原因のほとんどは、以下の7項目に集約されます。
上記シチュエーションを、「メールが届いていないもの」「実際はメールは届いているが、届かないと勘違いされるもの」に分け、それぞれの考えられる原因と対策をご紹介します。
メールが届かない原因と対策
この章では、メールが届かない原因と対策をご紹介します。
メール配信ツールによっては、メールが届かない具体的な原因が表示されるものがあります。自社で使っているツールを確認してみましょう。
メール配信リストの送信先アドレスが存在しない
メール送信先のメールアドレスが存在していないと、もちろんメールは届きません。送信先のメールアドレスが存在しない原因は、以下のいずれかです。
- メール担当者が間違えてメールアドレスを登録した。
- お客さまが登録フォームへ入力する際に間違えて入力した。
- お客さまの退職・異動などにより該当するメールアドレスが存在しなくなった。
届かないメールの総数を減らすために、メール配信リストは定期的に見直し、存在しないアドレスを削除しましょう。メール配信用のツールには、存在しないメールアドレスを通知してくれるものがあります。
当社のマーケティングオートメーションツール、Kairos3 Marketingでは、メール配信リストに「不達のアドレス」という通知が来ます。Kairos3 Marketingのメール配信機能についてくわしく知りたい方は「マーケティングオートメーション「Kairos3 Marketing」のメール配信機能」をごらんください。
メーラーのフィルタリング機能やフィルタソフトで弾かれている
メールは、「メーラーのフィルタリング機能」や「フィルタソフト」によってスパムメールだと判断されると、受信者のメールボックスに届きません。
自分の送ったメールがフィルタソフトにスパムメールと判断されているかどうかはわからないので、推測するしかありません。
メーラーのフィルタリング機能やフィルタソフトは、送信側や受信側のサーバーにエラーを知らせません。スパム業者がエラーの通知を受けると、フィルタリングされない工夫を講じてしまうからです。
自社メールがスパムメールだと判断されないためには「送信ドメイン認証」の設定が大切です送信ドメイン認証とは、メール送信者情報のドメインが正しいものか検証できる仕組みです。メールの送信元アドレスの詐称を見破るための仕組みで、SPFやDKIMなどの種類があります。
送信ドメイン認証の仕組みや詳しい設定方法は「送信ドメイン認証(SPF、DKIM、DMARC)とは?ゼロからわかる入門編」をご参考ください。
受信者側でエラーが発生している
受信者側のエラーは、受信者のSMTPサーバーが、送信者のSMTPサーバーにエラーメッセージを返すことで発覚します。送信者はメールが届かなかったことがわかります。
SMTPは、メールの送受信に関する技術仕様です。SMTPを使ってメールの送受信を行うサーバーをSMTPサーバーと呼びます。メール配信はSMTPサーバーを通じて行います。
受信者側のエラーは、メール送信側にはほとんど解決できません。しかし、問題の多くは一時的なので、後から再送すれば、メールが届きます。ツールによってはエラーのあったメールを自動で再送してくれます。
ご参考までに、受信者側のエラーの原因をご紹介します。原因は大きく分けて2つです。
- 受信者のメールボックスの容量オーバー
- 受信側のメールサーバーエラー
受信者側で発生するエラーの1つめは、受信者のメールボックスの容量オーバーです。
受信者が過去のメールを削除して、送信側のSMTPサーバーがメールの再送を試みる場合、メールが届くようになります。
受信者側で発生するエラーの2つめは、受信者のサーバーエラーです。
受信者のサーバー負荷が高くなりメールの受信を受け付けないことがあります。しかしサーバーに負荷がかかるのは一時的です。送信側のSMTPサーバーがメールの再送を試みる場合、メールが届くようになります。
メールの受信を拒否されている
メーラーの機能によって、受信者は特定のアドレスから配信されるメールを受信拒否できます。以下はGmailでの例です。
勘違いされがちですが、受信拒否と配信解除は異なります。
送信者にとっては、受信拒否されるより配信解除の方がありがたいと言えます。配信解除は、開封されないメールの総数が減り、開封率が上がります。受信拒否されても、開封されないメールの総数は変わりません。
そのためメールは、受信者が「もう受け取らない」と判断した際に、簡単に配信解除ができるようにデザインしましょう。配信解除のリンクをメール内の見やすい位置に設置します。
加えて、メールはオプトアウトの方法を明確にするように法律で定められています。詳しくは「特定電子メール法の要点1:メルマガを即座に配信停止できるようにする」をごらんください。
「メールが届かない」と勘違いされる原因と対策
この章では、実際には送信しているものの、メールが届いていないと勘違いされやすい原因と対策をご紹介します。
「メールが届いていない」と勘違いしてしまう最大の原因は、「迷惑メール」です。迷惑メールボックスにメールが入ってしまうと、受信者は受信したことにすぐには気付かないからです。
迷惑メールボックスに入る理由は複合的です。大きな原因は、フィルタリング機能が働いているからです。それより細かい原因はツール上ではわからないので、推測するしかありません。
以下にメールが迷惑メールボックスに入れられる原因として考えられるものと、その対策を記載しました。
送信ドメイン認証をしていない
前の章でもお伝えしましたが、ドメイン認証はメール配信に必須です。
ドメイン認証をしていないメールはスパムメールと判定され、迷惑メールボックスに入れられます。
送信ドメイン認証とは、メール送信者情報のドメインが正しいものか検証できる仕組みです。メールの送信元アドレスの詐称を見破るための仕組みで、SPFやDKIMなどの種類があります。
送信ドメイン認証の仕組みや詳しい設定方法は「送信ドメイン認証(SPF、DKIM、DMARC)とは?ゼロからわかる入門編」をご参考ください。
間違ったメールアドレスに対して送信を続けている
間違いメールアドレスに対して送信を続けていると送信元のメールアドレスやサーバーがスパム扱いされます。そして受信者側のSMTPサーバーのフィルタリング機能で、メールの到達率が低下します。
メール施策においてリストの定期的な見直しは鉄則です。メール配信リストのアドレスは、定期的に見直しましょう。
スパム判定されるような文面でメールを送っている
一般的に、売り込み色の強い文言はスパム判定されやすい傾向にあります。スパムと判断されそうな表現を避けましょう。スパム判定の基準は公表されていないため、推測するしかありません。
WEBサイト「Test the Spammyness of your Emails」のメールアドレスにメルマガの文面を送ると、スパム度を自動で判断してくれます。
メールの文面だけでなくフォームを直接メール内に載せてもスパム判定される危険性があります。
開封されないメールを送り続けている
受信者の開封頻度が低いメールを、自動的に迷惑メールボックスに入れるメーラーがあります。
つまり、よく開封されているメールは、迷惑メールボックスに入りにくいと言えます。読者のニーズを考慮したメールを作成しましょう。タイトルやコンテンツを工夫して、開封率を上げることもできます。
マケフリ記事「メール開封率を1.4倍にした、開封率を上げる6つの施策と平均開封率をご紹介」では、開封率を上げる効果があった施策をご紹介しています。併せてごらんください。
参考:メールが表示されない
最後に、迷惑メールには入っておらず、届いてもいるのに「メールが届かない」と言われてしまう原因と対策をご紹介します。
メールのお問い合わせで、まれに「白紙のメールしか届かない」といった内容をいただきます。
HTMLメールを拒否している受信者、もしくはメールソフトやプロバイダの仕様によってHTMLメールを受信できない受信者には、HTMLメールは届きません。そのような受信者にHTMLメールを送信した場合、メールの内容が表示されません。
メールは、「マルチパートメール」で送りましょう。
マルチパートメールはHTML形式とテキスト形式を同時に1つのメールの中で送信するものです。マルチパートメールさえ設定しておけば、HTML形式を受信拒否している受信者には、自動でテキストメールが表示されます。
マルチパートメールについて詳しく知りたい方は、記事「マルチパートメールとは?メール担当者がわかりやすく解説します」をごらんください。