展示会に行ったら、報告書を書かなくてはいけません。仕事の時間を使って展示会に行くなら、会社への報告は必要です。
「展示会の報告書の書き方は、ほかの報告書とはどう違うのだろう」
「展示会の報告書には何を書けばいいのだろう」
そのような疑問を解決するために、展示会の報告書を「わかりやすく」「スムーズに」書く方法をまとめました。
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この記事のもくじ
展示会の報告書とほかの報告書の違いとは
展示会の報告書は、業務報告書や日報と書き方が異なります。その違いとは、上司が報告書を読む目的にあります。
業務報告書は、あなたの業務に関して、上司に報告するものです。あなたがしっかりとその業務に取り組んでいるかを、「理解するため」ではなく「確認するため」に業務報告書を提出します。
展示会の報告書の場合、上司は、展示会の内容を「理解するため」に報告書の提出を求めます。展示会の報告書には、展示会で収集した情報のうち、上司が知っておくべき情報を抜け漏れなく記載しましょう。
展示会の報告書を書くためには事前準備が必要
よい報告書を書くためには、展示会参加前に十分な事前準備をしておく必要があります。
展示会の見学目的を明確にしておく
展示会見学の目的を明確にしておきましょう。そうすることで、展示会の報告書を書く作業がスムーズになります。
目的を先に設定しておけば、無駄な情報を集めなくて済みます。その結果、展示会の報告書を書くときに、情報の取捨選択をする必要がなくなります。
展示会の目的は「情報収集のための見学」と「展示会出展のための見学」の大きく2つに分類できます。そのうち、情報収集のための見学は「特定市場製品の調査」「競合の情報収集」「業務に役立つ製品情報」の3つに細分化できます。
展示会で立ち寄るブースをチェックしておく
展示会場に到着する前に、立ち寄る展示ブースをチェックしておきましょう。事前に立ち寄るブースをチェックしておくことで、限られた時間の中で効率よく回れます。
展示会の出展ブースは、事前に取得できるパンフレットや展示会のWebページで確認できます。事前にチェックできなかった場合は、会場で展示会の全体図を受け取り回るべきブースを選定しましょう。
展示会の報告書に書く項目のチェックリストを作っておく
展示会見学の目的に合わせて、チェックリストを作っておきましょう。チェックリストにはブースで情報収集するべき項目をまとめておきます。
チェックリストを作るメリットは、次の2つです。
チェックリストにある情報を収集しながらブースを回れば、あとはチェックリストをまとめるだけで、展示会の報告書がほとんど完成します。
展示会のチェックリストの項目を考える際には、回るブースの数とのバランスに注意することが重要です。数多くのブースに立ち寄るつもりなのに、項目が10個以上のチェックリストを用意してはいけません。チェックリストの項目が増えると、1つのブースに割く時間が増えてしまい、時間内に回ることが難しくなってしまいます。
展示会の報告書に書くチェックリストの項目が、あまりにも増えてしまった場合は、チェックリストを同僚と分担するのもひとつの方法です。
・製品の機能の有無
・製品の料金
・サポートの有無や内容
・導入企業の特徴
・ブースのデザインや導線
・パネルやキャッチコピー
・ノベルティや名刺取得方法
・説明員の人数や接客の様子
展示会の報告書の書き方
この章では、展示会の報告書を書くときのポイントをご説明します。
展示会の報告書に書く項目
展示会の報告書には、以下の項目の内容を書きます。
- 展示会名・展示会会場・見学日
- 報告者・報告日
- 展示会見学の目的
- 見学内容:チェックリストに基づいて発見した事実
- 所感:あなたの感想
展示会の報告書は、読む人にとってわかりやすいように、5W2Hを意識して書きましょう。
5W2Hとは、「いつ(When)」「どこで(Where)」「誰が(Who)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どのようにして(How)」「いくらで(How much)」です。
前述の「展示会の報告書に書く項目」の中では、見学日は「いつ」、展示会会場は「どこで」、報告者は「誰が」、展示会名は「何を」、展示会見学の目的は「なぜ」にあたります。
2Hの「どのようにして」や「いくらで」は見学内容の項目で意識すると、よい展示会の報告書が書けるでしょう。
展示会の報告書には写真も入れる
写真撮影が可能であれば、会場で写真を撮影し展示会の報告書に加えましょう。
イベント・ブースの全景写真や展示している風景写真、展示物の写真を載せると、視覚的なわかりやすさが加わり、説得力のある報告書になります。
特に、「競合他社のブース設計が知りたい」「出展に向けて参考になるブースのデザイン」を報告したい場合、写真は必須です。
展示会の報告書を書くときの注意点
展示会見学の報告書を書く際の、2つの注意点をご紹介します。
展示会の報告書作成は、忘れないよう、見学後できるだけ素早く取り掛かります。
また、展示会の報告書には、事実と意見・所感(感想)を区別して書きましょう。展示会の報告書は、「発見した事実」を先に書き、「事実に対する意見・所感(感想)」を続けて述べる、という流れで書くと綺麗にまとまります。
展示会の報告書のサンプル(例文)
展示会の報告書の書き方のサンプル(例文)です。展示会の報告書は、一般的にA4の用紙1枚程度です。
○○展示会 △△会場・XX/XX 田中太郎・XX/XX見学目的:□□ソリューションの市場調査
XXソリューションを自社導入する際の検討事項を把握するため
見学内容:
A社製品
・機能:多機能で、A社にしかない機能は○○、△□、××など数多くある。
・導入コスト:XXXXXXX円〜 ランニングコスト:平均XXXXX円・サポート:無償・有償が存在。有償の場合は月に◯回ミーティングを実施
・導入企業:中小企業が中心
B社製品……
C社製品……
所感:
XXソリューションに最低限共通する機能は○△、□×のようです。
A社はこれらの機能に加え様々な機能がありますが、A社の独自機能が自社において必要であるかは検証が必要です。B社は、独自の機能は特になく、○△、□×のみのシンプルな設計です。導入コストは安価ですが、ランニングコストが比較的高価です。サポートの料金を含むとのことなので、追加でサポートに費用はかかりません。……
以上のことよりXXソリューションの自社導入を検討する際には、○△、□×機能の充実と、コスト、サポート体制を勘案する必要があると考えます。
XXソリューションは日夜進歩している製品で、今後も新規の参入があると考えられます。いずれ、導入を検討する際には市場動向が急激に変化しているということも考えられます。導入の際にも再度、市場調査が必要だと思います。
○○展示会 △△会場・XX/XX 田中太郎・XX/XX見学目的:展示会そのものの視察
自社で展示会に出展するにあたり、ブースのデザインや説明員の配置の参考とするため。
見学内容:
A社
・ブースのデザインや導線:通路からブースの中が見渡せるような開放的なレイアウト。入りやすい雰囲気がある。
・パネルやキャッチコピー:パネルに製品のキャッチコピーが大きく表示され、遠くからでも目につきやすい。キャッチコピーのほかは画像やイラストが何点かある程度で、すっきりとした印象。
・ノベルティや名刺取得方法:ノベルティはカレンダー。ブースのチラシに興味を持った人に説明員が声をかけ、名刺交換をしていた。
・説明員の人数や接客の様子:説明員は5〜6人ほど。説明員は、チラシを見ているお客さまに声をかけ、デモに誘導していた。その他、ブースの外で声かけをする説明員も何人かいた。
B社……
C社……
所感:
集客できているブースには「説明員が積極的に呼び込みをしている」「ブースのレイアウトが開放的かつ、製品のキャッチコピーが遠目でもわかる」「ノベルティがユニーク」といった特徴がありました。
これらの特徴のうち、説明員の呼び込みとブースレイアウトの工夫は、当社でも参考になりそうだと思われます。
一方、ノベルティの配布には注力する必要はなさそうだと考えています。ノベルティ目的のお客さまの名刺情報を獲得できたとしても、当社の展示会出展の目的である商談創出にはつながらないためです。
それぞれの項目の文量は以下の図を参考にごらんください。
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