ウェビナー運営を楽にする、収録配信型ウェビナーとは

ウェビナーの業務は、講師の登壇やZoomの立ち上げなど、意外と手間がかかります。さらに、ウェビナーはぶっつけ本番なので、通信トラブルの心配もあるでしょう。

収録配信型ウェビナーとは、あらかじめ収録しておいたセミナー動画を、特定の時間にライブ配信するウェビナーです。ちなみに「収録配信型ウェビナー」という言葉は当社の造語です。

この記事では、収録配信型ウェビナーの概要やメリット、受講者満足度を保つ秘訣などをご紹介します。「ウェビナーの業務負荷を少しでも減らしたい」と考えているご担当者さまのお力になれれば幸いです。

この記事の内容を、動画で解説しました。よろしければごらんください。

収録型ウェビナーの概要

ウェビナーには、「ライブ配信型ウェビナー」と「収録配信型ウェビナー」、さらに「オンデマンド型ウェビナー」の3種類があります。

この章では、収録配信型ウェビナーの概要と、その他ウェビナー形式との違いをご紹介します。

収録配信型ウェビナーとは

収録配信型ウェビナーとは、あらかじめ収録しておいたセミナー映像を、特定の時間になったら配信する形式のウェビナーです。

収録配信型ウェビナーでは、視聴者にはまるでウェビナーをライブ配信しているように見えます。

当社は、収録したセミナー動画を「Zoom」で画面共有しつつ、運営はライブ配信時と同様に実施しています。

Zoomでウェビナーを実施したいなら
Zoomプロアカウントでウェビナーを実施する設定まとめ(ウェビナーオプションなし)」では、当社がウェビナーを実施する際の設定をまとめております。あわせてごらんください。

収録配信型ウェビナーとその他ウェビナー形式の違い

収録配信型ウェビナーとライブ配信型ウェビナー、そしてオンデマンド配信型ウェビナーの違いは、8つあります。

収録配信型ウェビナーは、ライブ配信型ウェビナーとオンデマンド型ウェビナーの中間に位置します。

収録配信型ウェビナーの特徴をひとことで言えば、「ライブ配信型ウェビナーとオンデマンド型ウェビナーのいいところどりのウェビナー」です。

収録配信型ウェビナーのメリット

この章では、収録配信型ウェビナーを実施するメリットをご紹介します。

メリット1:運営にかかる時間を大幅に削減できる

収録配信型ウェビナーの最大のメリットは、ウェビナー運営にかかる時間の削減です。

収録配信型ウェビナーでは、講師が登壇する必要がないため、運営担当者1名でウェビナーを開催できます。講師の登壇回数は収録用の1回で済みます。

メリット2:講師の当日の調子に左右されないウェビナーを提供できる

ライブ配信型ウェビナーの質は、「講師の登壇日の調子」によって、良くも悪くもばらつきが出ます。ライブ配信型ウェビナーでは、「講師が話す内容を忘れてしまいパニックに陥る」「ウェビナー当日に講師が体調を崩してしまう」などのトラブルが考えられます。

収録配信型ウェビナーであれば、提供するウェビナーは講師が納得するまで撮り直した内容です。さらに、講師の調子に左右されることもありません。

メリット3:開催日を自由に設定できる

収録配信型ウェビナーは、講師が登壇する必要がないため、運営担当者の時間さえ確保できれば開催できます。つまり、収録配信型ウェビナーは開催日時に融通が効きます。

開催日時に融通が効くと、より集客しやすい日時にウェビナーを設定できます。たとえば、月曜日や金曜日はミーティングが入っている会社が多いため、火曜日、水曜日、木曜日にくらべて集客しづらい傾向があります。

ウェビナーの集客数を伸ばす取り組み
ウェビナーの集客数を伸ばす方法の1つは、「開催日付の見直し」です。「実際に試して効果があった、ウェビナーの集客数を伸ばす5つの取り組み」では、開催日付の見直しをする上で、役立つデータをご紹介しています。あわせてごらんください。

収録配信型ウェビナーのデメリット

実施しているウェビナーの種類や、講師の経験値によっては、収録配信型ウェビナーに切り替えない方がよいこともあります。

この章では、収録型ウェビナーのデメリットをご紹介します。

デメリット1:講師と参加者の間でコミュニケーションが取れない

収録配信型ウェビナーの場合、講師がウェビナー当日に登壇していないため、講師は参加者とコミュニケーションを取れません。そのため、講師と参加者のコミュニケーションを前提としたウェビナーは収録配信型ウェビナーに向いていません。

たとえば、ワークショップ型のウェビナーは双方向性が高いため、収録配信型ウェビナーへの切り替えは難しいでしょう。

ただし、収録配信型ウェビナーであっても、工夫次第では参加者とコミュニケーションを取れます。たとえば当社では、運営担当者がZoomのチャットやQ&Aを駆使して、受講者のご質問に対応しています。

デメリット2:ライブ配信型ウェビナーにくらべハイスペックなPCが必要

収録配信型ウェビナーは動画を再生しつつウェビナー配信をする必要があるため、比較的スペックの高いPCが必要です。

私たちは以前、収録配信型ウェビナーをライブ配信型ウェビナー同様の環境で配信しました。その結果、配信映像の画質が悪くなったり、動画再生が停止したりしたことがあります。

収録配信型ウェビナーで問題なく動画を配信するためには、以下の配信環境を意識しましょう。

当社は、下記のパソコンスペックで、ウェビナー動画を問題なく配信できています。

現在のパソコンのスペック
  • プロセッサ:2.2GHz クアッドコアIntel Core i7
  • メモリ:16GB 1600 MHz DDR3

一方で、下記のパソコンスペックでは、映像の画質が悪くなったり、動画再生が停止したりしました。参考にしていただけると幸いです。

以前のパソコンのスペック
  • プロセッサ:1.2 GHz Intel Core m3
  • メモリ:8 GB 1867 MHz LPDDR3

通信環境は、上りの速度(アップロード)が大切です。ウェビナー動画を問題なく配信するために、私たちは上りの速度10mbps以上を推奨しています。

画面共有する動画の画面サイズが小さいと、画質が悪くなってしまいます。画面共有する動画のウィンドウサイズは、モニターやデスクトップのサイズの8割以上にしましょう。

デメリット3:講師のプレゼンテーションスキルが育ちにくい

収録配信型ウェビナーでは、講師の登壇機会は収録の1回だけです。つまり、講師はプレゼンテーションの経験を積みづらくなります。

そのため、講師の登壇経験が浅いときは、収録配信型ウェビナーに切り替えるのは避けた方がよいでしょう。収録配信型ウェビナーへの切り替えは、講師がある程度経験を積んでからでも遅くはありません。

目安として半年ほど登壇経験を積んだ講師であれば、安心して収録配信型ウェビナーに切り替えられます。

デメリット4:ウェビナー運営担当者の業務負担が増す

収録配信型ウェビナーの場合、運営担当者がすべてのウェビナー運営業務に対応します。そのため、収録配信型ウェビナーは、ライブ配信型ウェビナーとくらべて、運営担当者の業務負担が大きくなります。

参考:運営担当者を増やすのは悪手
運営担当者の負担が増えるからといって、担当人数を増やしてしまっては本末転倒です。収録配信型ウェビナーの運営は、運営担当者の負担が大きいとはいえ、1人で十分対応できる業務です。実際に当社では、1名の運営担当者が収録配信型ウェビナーを運営しています。「当社のウェビナー運営の流れをすべて公開|真似するだけでウェビナーが効率よく、少人数で実施できるまとめ」では、当社の運営方法をまとめております。あわせてごらんください。

デメリット5:ウェビナーの改善点に気づきにくくなる

ウェビナーの満足度を高め、商談につなげるためには、ウェビナーコンテンツの改善が不可欠です。

しかし収録配信型ウェビナーでは、以下2つの理由でウェビナーの改善がしづらくなります。

  • 講師がウェビナーに関わる機会が減るため、講師の意識がウェビナーの改善に向きづらくなる
  • ウェビナー中にお客さまとコミュニケーションを取る機会が減り、お客さまからのフィードバックを得づらくなる

ウェビナーコンテンツの改善には、「仕組み化」が重要です。仕組み化が必要な理由は、「収録配信型ウェビナーで受講者満足度を維持する3つの秘訣」の章で詳しくお話ししています。

収録配信型ウェビナーとライブ配信型ウェビナーの使い分け

すべてのウェビナーを収録配信型ウェビナーにすればよいわけではありません。中には、ライブ配信型が適しているウェビナーもあります。

収録配信型ウェビナーとライブ配信型ウェビナーは、「ウェビナーの種類」と「講師の経験値」ごとに使い分けましょう。

収録配信型ウェビナーが向いているケース
  • 講師が参加者に講義するウェビナー。コミュニケーションは、講師から受講者へ一方通行。
  • 講師が十分な経験を踏んでいる。
ライブ配信型ウェビナーが向いているケース
  • 講師と参加者がコミュニケーションを取りつつ進めるウェビナー。ワークショップ型のウェビナー。
  • 講師の経験が不足している。

収録配信型ウェビナーで受講者満足度を維持する3つの秘訣

「収録配信型ウェビナーに切り替えると、お客様からの満足度が下がるのではないか」

収録配信型ウェビナーに切り替えるとき、私たちにはこのようにな懸念がありました。

しかしいざ実施してみると、収録配信型ウェビナーに切り替えたことによって、アンケートの満足度が下がる傾向は見られません。

この章では、収録配信型ウェビナーでアンケートの満足度を維持するために、当社で実践している3つの秘訣をご紹介します。

秘訣1:初めから収録配信型ウェビナーにしない

収録配信型ウェビナーは、かんたんに言うと「運営が楽」になるウェビナー形式です。そのため、つい初めから収録配信型ウェビナーを検討しがちです。しかし、私たちは初めから収録配信型ウェビナーを選択するのはおすすめしません。

初めから収録配信型ウェビナーにしてしまうと、お客さまへのヒアリングが難しくなるからです。収録配信型ウェビナーでは、講師がお客さまに問いかけたり、投票機能を使ったりできません。ウェビナー始めたての頃は、お客さまからヒアリングしやすいライブ配信型ウェビナーから着手し、コンテンツの質を高めましょう。

講師は未経験でも大丈夫?
当社では、ありがたいことに、講師の話し方を褒めていただくことがあります。しかし、当社のウェビナー講師は、はじめから登壇経験が豊富であったわけではありません。むしろ、全員が登壇未経験でした。「ウェビナー人気講師が語る「台本はいらない」。未経験からの登壇体験談をインタビュー」では、登壇未経験の講師が初登壇するまでのポイントをインタビュー形式でまとめています。

秘訣2:お客さまにすぐに対応できる運営体制を整える

収録配信型ウェビナーでは、講師が問い合わせやトラブルに対応できない分、運営担当者の対応がお客様満足度の鍵を握ります。運営担当者がトラブルや問い合わせに的確に対応できないと、参加者は不信感を抱きます。

当社では、「問い合わせマニュアル」や「トラブル対応マニュアル」を作成し、素早くかつ的確にお客さまにご連絡できるよう、体制を整えています。

ウェビナーで想定される失敗やトラブルを防ぐために
ウェビナー運営でよくある失敗と対策とは?|「不安」のないウェビナー運営のために知っておきたいこと」では、私たちの経験を交えながら、ウェビナー運営で想定される失敗やトラブルと、それらを未然に防ぐ対策をご紹介します。

秘訣3:ウェビナーコンテンツを放置しない仕組みを作る

収録配信型ウェビナーを実施する前に、「ウェビナーコンテンツを放置しない仕組み」を作っておきましょう。先ほども言いましたが、収録配信型ウェビナーではコンテンツの改善がおざなりになりがちなので、意識的にコンテンツを改善する必要があります。

ウェビナーコンテンツを放置しない仕組みとして、「ウェビナーを見直す基準」を決めておくのがおすすめです。ウェビナーを見直す基準には、たとえば以下のような項目が挙げられます。

  • 受講者満足度
  • MQL数(セミナー受講者から商談につながる数)
  • ウェビナーを始めてからの期間
  • 集客数

上記項目を管理し、「ある基準に達したら見直しを検討する」という運用にしておけば、コンテンツが放置される心配はありません。

ウェビナーの見直しを検討する基準を作ったら、運用を根付かせるために仕組み化しましょう。

私たちは、運用担当者を1名決め、2週間に1回のセミナーMTGで報告する仕組みを採用しています。

マニュアルの作り方が知りたいなら
「使いやすい!」と褒められる、業務マニュアルの作り方」では、私たちが業務マニュアルを作成する時の手順と、意識している工夫点をご紹介しています。あわせてごらんください。